ボナパルト婆さんと、新しいクラシックのあり方について

年末にひいた風邪をまだ引きずっていますが、本日より仕事はじめ。 いつまでもグズグズとしていられないので、とりあえず身体の不調は忘れる事にして張り切って初日を迎えることにしました。 

突然ですが、昔は前衛的だった代物も時を得てクラシックになる例は沢山あると思います。
最近、村上春樹訳で「ティファニーで朝食を」を改めて読み返してみて、以前の龍口訳のものとまるっきり印象が違うという事実を目の当たりにしました。
ホリー・ゴライトリーの出すその奔放な魅力は、2人の訳者ではまったく違った毛色のものになり、自分が勝手に描いていたホリー・ゴライトリー像というものがきっぱりと変わってしまうほどでした。
(もちろん多くの人にとってそれはオードリー・ヘップバーンになるのかもしれないですが) 

どちらが良いというわけではなく、訳す人が変わるだけで、主人公の顔つきまで変わってしまうという事実があり、古き良きものに新しい息吹をもたらすだけで、その表情はとても新鮮なものになるということが言いたかったのです。 

ユナイテッドアローズ&サンズが、老舗ハットメーカーの<KANGOL>に別注をしたワイドブリムのハットも、もしかしたら同じことが言えるのかも知れません。

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ビッグロゴなどのクラシックなディテールを再現するとともに、通常のモデルよりもつば広にして、オリジナルの形にしたハット。
古き良きものをリスペクトしながら、新しい息吹をもたらして、再度その歴史を見つめ直す。
もしかしたら今まで抱いていたブランドに対するイメージも一新するかも知れない。それでなければ、共にモノを作るという意義は達成できないのかも知れません。

この物単体としても十分にその意義を伝える事ができるのですが、さらにユナイテッドアローズ&サンズではこのハットをスーツやジャケットに合わせるということもお勧めしたいです。 
もちろんどうやって合わせるかは自由ですが、クラシックなアイテムとコーディネートすることによって、そこにきっと新しい価値観をもたらしてくれるのではないかという事をお伝えしたいのです。

発売は1/29(金)ですが、オンラインストアでは先行予約も受け付けています。 


もし興味がある方はぜひお試しください。


ところで前途の「ティファニーで朝食を」の"花盛りの家"の項のある一文が、とても印象に残っているというか、好きなので最後にご紹介。 
その項の主人公であるオティリーが嫁いだ先の意地悪な姑、ボナパルトばあさんが亡くなった時の葬式の描写。

"ロワイヤルは泣き屋たちをかり集めた。彼らは麓の村から、近隣の山地からやってきて、夜更けの犬みたいに痛ましい叫びをあげながら、家を取り囲んだ。老女たちは壁に頭をどすんどすんと打ち付け、男たちは地面にひれ伏して嗚咽した。それは哀しみを表現する芸術であり、悲嘆をもっとも巧妙に演技できるものが高く評価された。そして葬儀が終わると、みんなは仕事の出来に満足して帰って行った"


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